豊臣秀吉の第一位の妻、浅野寧(ねい)。織田信長の家臣として日々戦場の夫を支えつつ、大名の妻としての自分磨きの前半生を送る。その成果は関白豊臣家の誕生後に発揮され、「北政所」の名に恥じない役割を果たした。秀吉死後は「高台院」を名乗り、浅井(あざい)茶々と豊臣家存続に尽力する。従来の「糟糠(そうこう)の妻」イメージの「北政所」像を見直し、等身大の姿に迫る。
目次
- はしがき
- 第一 誕生から結婚まで
- 一 高台院の本名
- 二 誕生をめぐる三説
- 三 実家杉原氏とその家族
- 四 木下秀吉との婚姻と養家浅野氏
- 第二 近江長浜時代
- 一 織田信長の教訓状
- 二 近江長浜での生活
- 三 本能寺の変
- 四 山崎城から大坂城へ
- 第三 北政所の時代
- 一 関白豊臣秀吉の妻
- 二 聚楽城と大坂城
- 三 小田原の陣
- 四 豊臣家の後継者
- 五 秀次事件と秀吉の死
- 六 寺社の再興
- 第四 高台院と豊臣家の存亡
- 一 京都新城への移徙
- 二 関ヶ原合戦
- 三 出家の道
- 四 豊臣秀頼との交流
- 五 大坂冬の陣・夏の陣
- 第五 晩年とその死
- 一 豊国社の解体
- 二 高台院の経済力
- 三 木下家定と浅野長政の死
- 四 木下家の人々との交流
- 五 古き友との再会と別れ
- 六 高台院の最期
- おわりに
- 杉原家・浅野家・木下家略系図
- 豊臣家略系図
- 略年譜
- 参考文献